HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
#17 ただの隣の席の人だけど、何か?(side暖人)
日曜の夜、自宅のリビングは宴会場になっていた。
一応、名目は俺の誕生会らしい。そういえば三週間前に誕生日が来た。だけど誕生会というのは単に大人が酒を飲む口実がほしいだけで、ぶっちゃけ主役のはずの俺をそっちのけで両親や叔父、叔母たちがビール瓶を次々と空にし、今はワインの講評で盛り上がっている。
そして、若いグループは酔っ払いどもを尻目にテーブルの上の料理を平らげ、リビングの一角で情報交換を始めたところだ。
こういう場合の中心人物はいとこの英理子だ。英理子を見ているといつも思うが、女ってホントよく喋るよな。
「ひろくん、彼女できたんだって?」
英理子が突然寛人に向かって問いかけた。
もう英理子まで伝わっていることに驚きながら弟の寛人を見ると、照れたように顔を紅くしてニヤニヤと笑ってやがる。母親の勘は当たっていたらしい。俺は寛人から目をそらして大きくため息をついた。
「ね、どんな人? どこで知り合ったの?」
「同じクラスの人?」
妹の笑佳も英理子の隣で寛人の尋問に加わる。俺は何だか悔しくて鶏のから揚げに箸を突き刺した。
「違うよ」
寛人ははにかみながら答えた。
「じゃあ、どうやって知り合ったのー?」
「ちょっと言いにくいんだけど……」
モジモジしている寛人に無性に腹が立って、俺はから揚げを飲み込むとからかい半分で話に割り込んだ。
「コイツの場合、ネットゲームで知り合ったとかじゃねぇの?」
寛人が驚いた顔で俺を見つめてくる。……冗談で言ったつもりだったが、まさかビンゴ?
一応、名目は俺の誕生会らしい。そういえば三週間前に誕生日が来た。だけど誕生会というのは単に大人が酒を飲む口実がほしいだけで、ぶっちゃけ主役のはずの俺をそっちのけで両親や叔父、叔母たちがビール瓶を次々と空にし、今はワインの講評で盛り上がっている。
そして、若いグループは酔っ払いどもを尻目にテーブルの上の料理を平らげ、リビングの一角で情報交換を始めたところだ。
こういう場合の中心人物はいとこの英理子だ。英理子を見ているといつも思うが、女ってホントよく喋るよな。
「ひろくん、彼女できたんだって?」
英理子が突然寛人に向かって問いかけた。
もう英理子まで伝わっていることに驚きながら弟の寛人を見ると、照れたように顔を紅くしてニヤニヤと笑ってやがる。母親の勘は当たっていたらしい。俺は寛人から目をそらして大きくため息をついた。
「ね、どんな人? どこで知り合ったの?」
「同じクラスの人?」
妹の笑佳も英理子の隣で寛人の尋問に加わる。俺は何だか悔しくて鶏のから揚げに箸を突き刺した。
「違うよ」
寛人ははにかみながら答えた。
「じゃあ、どうやって知り合ったのー?」
「ちょっと言いにくいんだけど……」
モジモジしている寛人に無性に腹が立って、俺はから揚げを飲み込むとからかい半分で話に割り込んだ。
「コイツの場合、ネットゲームで知り合ったとかじゃねぇの?」
寛人が驚いた顔で俺を見つめてくる。……冗談で言ったつもりだったが、まさかビンゴ?