HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
「というわけで、明日はるくんのクラスに迎えに行くから、舞ちゃんに伝えておいてね」
「待てよ、勝手に決めんな」
「あら、はるくんこそ何よ。彼氏でもなんでもない、ただの隣の席の人のくせに」
――言ってくれるじゃないか。
「そうだよ。ただの隣の席の人だけど、何か?」
「私、舞ちゃんの親友になることに決めたわ」
とびきりいいことを思いついたというように、英理子が顔を輝かせて宣言した。英理子は言い出したら最後、他人の話を聞く耳は持っていない。
明日からの舞の運命を思い、俺は舞に心底同情した。
「私たち、きっといい友達になれると思うの」
思い込みが激しいのも英理子の欠点だと思うが、英理子が俺のイトコである以上、遅かれ早かれこういうことになる宿命なのかもしれない。
それに、と俺は遠藤さんを見て改めて思う。
もし俺に彼女ができたら、この宴会にも連れて来なければならないのだろうか。できればそれだけは避けたい。この一癖も二癖もある酔っ払いの大人どもに絡まれることを想像すると、いくらなんでもかわいそうだ。
それを考えると英理子と舞が友達になるのは、あながち悪いことではないかもしれないと思った。
「待てよ、勝手に決めんな」
「あら、はるくんこそ何よ。彼氏でもなんでもない、ただの隣の席の人のくせに」
――言ってくれるじゃないか。
「そうだよ。ただの隣の席の人だけど、何か?」
「私、舞ちゃんの親友になることに決めたわ」
とびきりいいことを思いついたというように、英理子が顔を輝かせて宣言した。英理子は言い出したら最後、他人の話を聞く耳は持っていない。
明日からの舞の運命を思い、俺は舞に心底同情した。
「私たち、きっといい友達になれると思うの」
思い込みが激しいのも英理子の欠点だと思うが、英理子が俺のイトコである以上、遅かれ早かれこういうことになる宿命なのかもしれない。
それに、と俺は遠藤さんを見て改めて思う。
もし俺に彼女ができたら、この宴会にも連れて来なければならないのだろうか。できればそれだけは避けたい。この一癖も二癖もある酔っ払いの大人どもに絡まれることを想像すると、いくらなんでもかわいそうだ。
それを考えると英理子と舞が友達になるのは、あながち悪いことではないかもしれないと思った。