HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
俺は正面の黒板を向いて座り直し、しばし考える。
――触った感じ、熱があるわけではなさそうだ。
――……ってことは何? 俺、避けられてる?
――でも、どうして急に顔が真っ赤になったんだろう?
――もしかして、俺のことを好きになっちゃった、とか。
人間の脳は常に何ごとも自分に都合よく解釈しようとする傾向にあるようだ。
自分自身の思い上がりを戒めつつ、それでも俺は訳もなくほぼ確信していた。
いろいろなものを差し引きしても、たぶんあの態度は俺のことを特別に意識しているに違いない。絶対そうだ。
そう思うと自然に頬が緩む。
――……ヤバい。俺の顔まで赤くなりそうなんだけど!
心がふわふわと浮上して、見るもの全てが明るい春の色に染まったようだ。本当に人間の脳はおめでたい。
恋なんてどうやってするのか忘れたと思っていたが、そうじゃない。
「恋はしようと思ってできるものじゃない」
先日舞に言った自分の言葉を思い出して、本当に恋というヤツは不思議なものだ、と軽く幸せなため息をついた。
――触った感じ、熱があるわけではなさそうだ。
――……ってことは何? 俺、避けられてる?
――でも、どうして急に顔が真っ赤になったんだろう?
――もしかして、俺のことを好きになっちゃった、とか。
人間の脳は常に何ごとも自分に都合よく解釈しようとする傾向にあるようだ。
自分自身の思い上がりを戒めつつ、それでも俺は訳もなくほぼ確信していた。
いろいろなものを差し引きしても、たぶんあの態度は俺のことを特別に意識しているに違いない。絶対そうだ。
そう思うと自然に頬が緩む。
――……ヤバい。俺の顔まで赤くなりそうなんだけど!
心がふわふわと浮上して、見るもの全てが明るい春の色に染まったようだ。本当に人間の脳はおめでたい。
恋なんてどうやってするのか忘れたと思っていたが、そうじゃない。
「恋はしようと思ってできるものじゃない」
先日舞に言った自分の言葉を思い出して、本当に恋というヤツは不思議なものだ、と軽く幸せなため息をついた。