HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
「即答かよ」

 頬杖をついてソイツはため息をついた。

 ……もしかして、本当に傷ついてる? どうして??

「あの……」

 私は思わず口を開いてしまった。何を言おうとしたのか自分でもわからない。でもとにかく何か言わないといけない気がしていた。

「それ、香水?」

 自分の顔が赤くなるのを感じた。

「あ、これ、嫌いかな? クサい?」

 ソイツは自分の襟元を掴んだ。何だかその仕草は色っぽい。……って何考えてるの、私?

「えっと、そうじゃなくて……」

 私は言葉を選ぶのに苦労した。

「嫌いじゃなくて、むしろ……」

 マテマテ。私は何を言おうとしているんだ?

 私がしどろもどろになっているのを見て、ソイツはニッコリとした。

「そう。それならよかった」

 その笑顔は男の人でもこんな綺麗な顔の人がいるのか、と思うくらいまぶしかった。胸の奥が何かにぎゅっと掴まれたような感じがして、途端に心臓がまた激しく動き出した。
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