HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
#04 いきなり、事件です。
席替えから3日が経った。今日は土曜日。
やっと土曜日が来た! と感じるくらい席替えからの毎日は私にとって長かった。隣の席の人間がヤツになっただけでこんなに毎日疲れるとは……。
今日も無駄にお天気がいい。T市は今の季節が天候も安定していて一番いい季節だと思う。
休み時間にそんなことを窓の外を眺めながらぼーっと考えていると、突然聞いたことのない女子の声が聞こえてきた。
「あら? ……あなた」
他のクラスの生徒が教室に入ってくることはそれほど多くはないが、全くないわけでもない。大して気にせず、読みかけの本の続きを読もうかと鞄の中に手を突っ込んだときだった。
「高橋さん……よね?」
「は、はい!」
私はいきなり名前を呼ばれて驚いた。まるでこそこそ内職をしていて不意に先生に当てられた生徒のようにびくびくと返事をしてしまった。
「英理子、いきなり呼んだら高橋さんびっくりして椅子から落ちちゃうよ」
隣のソイツは英理子さんとやらに余計な助言をする。
「なにそれ?」
と言いながら英理子さんとやらは上品な笑顔を浮かべた。私はようやく彼女の顔を正面から見た。
「お姉さん、ご結婚されたんですって?」
「あ、そ、そうなんです。ゴケッコン……いや、結婚しました」
英理子さんにつられて丁寧な言葉を使おうとして思い切り失敗してしまった。
「おめでとうございます、って伝えてくださいね。母も喜んでたわ」
「……はぁ……」
その前に、英理子さんって……どなた?
やっと土曜日が来た! と感じるくらい席替えからの毎日は私にとって長かった。隣の席の人間がヤツになっただけでこんなに毎日疲れるとは……。
今日も無駄にお天気がいい。T市は今の季節が天候も安定していて一番いい季節だと思う。
休み時間にそんなことを窓の外を眺めながらぼーっと考えていると、突然聞いたことのない女子の声が聞こえてきた。
「あら? ……あなた」
他のクラスの生徒が教室に入ってくることはそれほど多くはないが、全くないわけでもない。大して気にせず、読みかけの本の続きを読もうかと鞄の中に手を突っ込んだときだった。
「高橋さん……よね?」
「は、はい!」
私はいきなり名前を呼ばれて驚いた。まるでこそこそ内職をしていて不意に先生に当てられた生徒のようにびくびくと返事をしてしまった。
「英理子、いきなり呼んだら高橋さんびっくりして椅子から落ちちゃうよ」
隣のソイツは英理子さんとやらに余計な助言をする。
「なにそれ?」
と言いながら英理子さんとやらは上品な笑顔を浮かべた。私はようやく彼女の顔を正面から見た。
「お姉さん、ご結婚されたんですって?」
「あ、そ、そうなんです。ゴケッコン……いや、結婚しました」
英理子さんにつられて丁寧な言葉を使おうとして思い切り失敗してしまった。
「おめでとうございます、って伝えてくださいね。母も喜んでたわ」
「……はぁ……」
その前に、英理子さんって……どなた?