HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
#05 で、で、デート……なわけないですよね。
 駅の近くの定食屋はお昼時ということもあって繁盛していた。

 清水くんの後ろからおそるおそる入るともわ~んと湿った空気が襲ってきて、私のメガネは一瞬で使い物にならなくなった。

 それに気がついたらしい清水くんが私の腕を掴んだ。



 うわっ!



 ドキっとした。

 よく考えればさっきの私のほうが反動とはいえ、いきなり抱きついたりして……



 ギャーっ!!!



 今更思い出して恥ずかしくなった。

 しかもお礼も言わず、逆に「私をからかって楽しいのか?」なんて問い詰めた挙句、勝手に泣き出したり……

 ……はぁ。

 ため息が思わず漏れた。

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