HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
勿論名前もロクに覚えていない他のクラスメイトに比べれば、清水くんについての情報はこの私にも多少は入ってくる。でもそれは学校の誰もが知っているようなことばかりだ。
ちょうどその時注文したものが運ばれてきた。
清水くんはフッと笑って「ま、食べようか?」と言った。
彼の表情を見ていると、たぶんこういうシチュエーションに慣れているんだろうなと思う。つまり女の子を誘ったり、一緒に食事をしたり、デートをしたり……
で、で、デート……!!
「あちっ!」
私は味噌汁の温度を確かめずに具をいきなり飲み込んでしまった。
「大丈夫?」
「らいびょーふ……れす」
一応「大丈夫……です」と言ったつもりだけど、自分でもそうは聞こえなかった。口の中がひりひりする。
よくわからないが、彼が近くにいると私の思考回路がおかしくなってしまう。
冷静に、冷静に……
「それで、清水くんはもう進路とか決めているの?」
うん、我ながら高校生らしい話題!
「進路ね……」
そう。私たちは高校2年生だからもう進路について考えなくてはいけない時期なのだ。
「高橋さんは決めてるの?」
うっ! また質問返しか! ずるいぞ、清水暖人!!
「ウチは貧乏だから、親に『国立しかお金を出せない』って言われてるの」
「なるほどね」
これは本当のことだった。私が四大を目指すと宣言したら、ママは「できれば地元の四大に入ってちょうだい」と簡単に言い放ったのだ。
ちょうどその時注文したものが運ばれてきた。
清水くんはフッと笑って「ま、食べようか?」と言った。
彼の表情を見ていると、たぶんこういうシチュエーションに慣れているんだろうなと思う。つまり女の子を誘ったり、一緒に食事をしたり、デートをしたり……
で、で、デート……!!
「あちっ!」
私は味噌汁の温度を確かめずに具をいきなり飲み込んでしまった。
「大丈夫?」
「らいびょーふ……れす」
一応「大丈夫……です」と言ったつもりだけど、自分でもそうは聞こえなかった。口の中がひりひりする。
よくわからないが、彼が近くにいると私の思考回路がおかしくなってしまう。
冷静に、冷静に……
「それで、清水くんはもう進路とか決めているの?」
うん、我ながら高校生らしい話題!
「進路ね……」
そう。私たちは高校2年生だからもう進路について考えなくてはいけない時期なのだ。
「高橋さんは決めてるの?」
うっ! また質問返しか! ずるいぞ、清水暖人!!
「ウチは貧乏だから、親に『国立しかお金を出せない』って言われてるの」
「なるほどね」
これは本当のことだった。私が四大を目指すと宣言したら、ママは「できれば地元の四大に入ってちょうだい」と簡単に言い放ったのだ。