HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
 ハッとした。

 私は電車の時間を全く忘れていたことに気がつく。



「うわっ! 時間!!」

 私は慌てて立ち上がった。清水くんも腕時計をちらっと見て「もうこんな時間か」と呟く。

 急いで会計を済ませて私たちは駅へと走った。

 清水くんはついて来なくてもいいのに、と内心思っていたけど、それは言わなかった。

 改札口で一息つく。

「今日は本当にいろいろありがとう」

 私はかなり息が上がっているのに、彼は同じ距離走っても涼しい顔をしていた。

「どういたしまして。いつでも大歓迎」

 また悪魔の微笑みで私を見た。

 ……いつでも大歓迎? 何のことだ??

 たぶん私の顔に「?」と書いてあるのが見えたのだろう。悪魔は更にニコニコと笑顔を作った。

 そして私の耳元に顔を寄せた。



「高橋さんって意外とナイスバディだし」



 ボンッ!!!!!

 私の頭の中で何かが爆発したような気がした。



「な、な、な……何をーーーーーっ!!」
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