HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
「おい、清水。あれ、1年で一番かわいいって子だろ? フっちゃって勿体ねぇな。いいのかよ?」
隣のソイツの前の席に、彼と一番親しいと思われる男子がドカっと座って言った。私は本を読む振りをしているが、目ではなくて耳に全神経が集中しているといっても過言ではない状態だ。いわゆる「耳がダンボ」になっているわけ。
「いいも何も、興味ない」
清水くんは漫画から顔も上げずにぶっきらぼうに言った。
「珍しいな。1年のときはかわいい子なら即オッケーだったろうが」
この男子の名前何だったかな……。私はかなり真剣に考えてみたが、もともと覚えていないのだから思い出せるはずもなかった。
「人聞き悪いこと言うなよ」
答える隣のソイツの声が少し低くなった。機嫌が悪くなったのだろうか。
「本当のことだろ? とっかえひっかえ……」
バンっ!
大きな音に私までビクっとした。
隣のソイツは読んでいた漫画をわざと音を立てて閉じたのだ。
「これ、ありがとう。面白かった」
思わず私は隣を見てしまった。……まさに悪魔の笑顔!
漫画を渡された男子も気圧されたようで「お、おう」と短く返事することしかできなかった。
それから隣のソイツは怖いくらいの笑顔のままこう言った。
「俺、高橋さんと話がしたいから、どこか行ってくれる?」
……わ、私?
隣のソイツの前の席に、彼と一番親しいと思われる男子がドカっと座って言った。私は本を読む振りをしているが、目ではなくて耳に全神経が集中しているといっても過言ではない状態だ。いわゆる「耳がダンボ」になっているわけ。
「いいも何も、興味ない」
清水くんは漫画から顔も上げずにぶっきらぼうに言った。
「珍しいな。1年のときはかわいい子なら即オッケーだったろうが」
この男子の名前何だったかな……。私はかなり真剣に考えてみたが、もともと覚えていないのだから思い出せるはずもなかった。
「人聞き悪いこと言うなよ」
答える隣のソイツの声が少し低くなった。機嫌が悪くなったのだろうか。
「本当のことだろ? とっかえひっかえ……」
バンっ!
大きな音に私までビクっとした。
隣のソイツは読んでいた漫画をわざと音を立てて閉じたのだ。
「これ、ありがとう。面白かった」
思わず私は隣を見てしまった。……まさに悪魔の笑顔!
漫画を渡された男子も気圧されたようで「お、おう」と短く返事することしかできなかった。
それから隣のソイツは怖いくらいの笑顔のままこう言った。
「俺、高橋さんと話がしたいから、どこか行ってくれる?」
……わ、私?