HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
「……あるのね。了解」
いや、勝手に了解しないでほしいんですが。
内心青くなっている私のことなどおかまいなしに、英理子さんは更に思案顔をしている。
「そうだなぁ……」
そう言って「うーん」と英理子さんは唸った。私には英理子さんが何を考えているのか見当もつかない。
「ケータイはもうちょっと様子見てからでいいと思うわ」
「……はぁ」
「いい? 少しでも『好き』みたいな態度を見せちゃダメよ。相手は手練(てだれ)の悪魔なんだからね」
「……はぁ」
手練なんて普段あまり使わない言葉だな、と思いながら私は英理子さんの言葉の意味をようやく理解する。
――って、もしかして英理子さん、知って……る?
また私の顔に書いてあるのを読んだのか、英理子さんはニッコリと微笑んだ。
「大丈夫。私に任せといて!」
そしてバシッと私の背中を叩いた。痛い!
「いい? 舞ちゃんはなるべく好きだと気がつく前と同じようにふるまうのよ。二人っきりになっても、だからね?」
「はぁ、努力してみるけど……」
――って、二人っきり!?
そんな状況を想像しただけで頭の中がパンクしそうだ。自覚する前は、事故とはいえ抱きついたり定食屋さんに一緒に行ったりしてもここまでドキドキすることはなかったのに、もしかしてこれが恋心というヤツなの?
今度は赤くなった私を英理子さんがニヤニヤと不敵な笑みを浮かべて見ていたのだった。
いや、勝手に了解しないでほしいんですが。
内心青くなっている私のことなどおかまいなしに、英理子さんは更に思案顔をしている。
「そうだなぁ……」
そう言って「うーん」と英理子さんは唸った。私には英理子さんが何を考えているのか見当もつかない。
「ケータイはもうちょっと様子見てからでいいと思うわ」
「……はぁ」
「いい? 少しでも『好き』みたいな態度を見せちゃダメよ。相手は手練(てだれ)の悪魔なんだからね」
「……はぁ」
手練なんて普段あまり使わない言葉だな、と思いながら私は英理子さんの言葉の意味をようやく理解する。
――って、もしかして英理子さん、知って……る?
また私の顔に書いてあるのを読んだのか、英理子さんはニッコリと微笑んだ。
「大丈夫。私に任せといて!」
そしてバシッと私の背中を叩いた。痛い!
「いい? 舞ちゃんはなるべく好きだと気がつく前と同じようにふるまうのよ。二人っきりになっても、だからね?」
「はぁ、努力してみるけど……」
――って、二人っきり!?
そんな状況を想像しただけで頭の中がパンクしそうだ。自覚する前は、事故とはいえ抱きついたり定食屋さんに一緒に行ったりしてもここまでドキドキすることはなかったのに、もしかしてこれが恋心というヤツなの?
今度は赤くなった私を英理子さんがニヤニヤと不敵な笑みを浮かべて見ていたのだった。