HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
昼休みに私は思い立って図書室へ足を運んだ。図書室は校舎の二階の突き当たりに位置している。
古い本の背表紙を眺めながら、本棚の間をゆっくり進む。
本棚の通路が途切れて校舎の端の窓辺にたどり着いた。今日は蒸し暑いせいか窓が開け放たれていた。
私は窓から少し顔を出して周囲を確認した。最後に下を見る。
――うん。ここなら大丈夫。今なら風もないし。
それからスカートのポケットにこっそり忍ばせてあったパスケースを取り出した。ゆっくり開いて小さな封筒を引っ張り出す。
封筒をちらりとのぞいた。確かにそこにはお姉ちゃんがくれた四葉のクローバーが入っている。
――お姉ちゃん、ごめんね。でも私には必要ないの。
心の中でそうつぶやいたが、それでもしばらく踏ん切りがつかなかった。
――よし!
私は覚悟を決めて窓から少し身を乗り出した。
「高橋さん」
――……え?
「こんなところで何してるの?」
――その声は……
「窓から落ちても知らないよ」
そう言った声の主はクスッと笑った。私は反射的に持っていた小さな封筒をポケットにねじ込み振り返る。
「なんでこんなところにいるの?」
「さぁ?」
とぼけた表情をして私のほうへ近づいてきた。清水くんだった。
――なんでこんなときに現れるんだーーー!!
古い本の背表紙を眺めながら、本棚の間をゆっくり進む。
本棚の通路が途切れて校舎の端の窓辺にたどり着いた。今日は蒸し暑いせいか窓が開け放たれていた。
私は窓から少し顔を出して周囲を確認した。最後に下を見る。
――うん。ここなら大丈夫。今なら風もないし。
それからスカートのポケットにこっそり忍ばせてあったパスケースを取り出した。ゆっくり開いて小さな封筒を引っ張り出す。
封筒をちらりとのぞいた。確かにそこにはお姉ちゃんがくれた四葉のクローバーが入っている。
――お姉ちゃん、ごめんね。でも私には必要ないの。
心の中でそうつぶやいたが、それでもしばらく踏ん切りがつかなかった。
――よし!
私は覚悟を決めて窓から少し身を乗り出した。
「高橋さん」
――……え?
「こんなところで何してるの?」
――その声は……
「窓から落ちても知らないよ」
そう言った声の主はクスッと笑った。私は反射的に持っていた小さな封筒をポケットにねじ込み振り返る。
「なんでこんなところにいるの?」
「さぁ?」
とぼけた表情をして私のほうへ近づいてきた。清水くんだった。
――なんでこんなときに現れるんだーーー!!