HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
掃除当番を終えて教室を後にした。清水くんとは特に待ち合わせをしていない。これからどうなってしまうのだろうか、と思いながら玄関で靴を履き替えた。
そして玄関のドアを開けようとしたとき
「ねぇ」
と横から、正確には左斜め下から声が聞こえてびっくりした。
「ひぃ!?」
思わず間抜けな声を上げてしまう。
左斜め下を見ると、清水くんが下駄箱に背中を預けてしゃがんでいた。
私の返事にクスッと笑って面倒くさそうに立ち上がる。
「『ひぃ』って何?」
何、と問われても困るんですが。
「人がいると思わなかったんで」
私は自分が鈍いほうだとは思わないが、気配を全く感じなかったのだ。考え事をしていたからかもしれないけれど。
ふーん、という表情をして、清水くんは玄関のドアを開けた。
「俺、自転車取ってくるから先歩いてて」
そう言い残すとスタスタと行ってしまった。
私は少し唖然としたけれども、ああそうか、と突然いろいろなことを理解して急ぎ足で学校から離れた。
――そうだよね。私なんかと一緒に帰るの、誰かに見られたくないよね。
どーんと胸の中が暗くなるのを感じたが、私はとにかく少しでも遠くへとほとんど走り出しそうな勢いで歩いた。
そして玄関のドアを開けようとしたとき
「ねぇ」
と横から、正確には左斜め下から声が聞こえてびっくりした。
「ひぃ!?」
思わず間抜けな声を上げてしまう。
左斜め下を見ると、清水くんが下駄箱に背中を預けてしゃがんでいた。
私の返事にクスッと笑って面倒くさそうに立ち上がる。
「『ひぃ』って何?」
何、と問われても困るんですが。
「人がいると思わなかったんで」
私は自分が鈍いほうだとは思わないが、気配を全く感じなかったのだ。考え事をしていたからかもしれないけれど。
ふーん、という表情をして、清水くんは玄関のドアを開けた。
「俺、自転車取ってくるから先歩いてて」
そう言い残すとスタスタと行ってしまった。
私は少し唖然としたけれども、ああそうか、と突然いろいろなことを理解して急ぎ足で学校から離れた。
――そうだよね。私なんかと一緒に帰るの、誰かに見られたくないよね。
どーんと胸の中が暗くなるのを感じたが、私はとにかく少しでも遠くへとほとんど走り出しそうな勢いで歩いた。