劣情
冷酷に支配される社内では絶対に見る事のない男の晒された素肌に触れると、それだけで満足した気分になり。
何よりも無上の特権を得る私はその瞬間を逃さないよう腕を伸ばし、頬から耳を超えて髪に手を差し入れた。
僅かに漏れる男の詰まるような声。
埋められた欲望が最後の瞬間を迎えるべく私の中を強く繊細に擦り上げる。
頬に触れていた手に擦り寄るような仕草を見せた男が限界を迎えた時、眉が寄せられ耐えきれなかった劣情が滲む、淫らな瞳を伏せた。