*恋に不器用な私*
「先輩…。」
「ん?」
私は勇気を振り絞って聞いた。
「さっきの話本当ですか?私のこと抱くためだけに付き合ってるって…。」
「そ、そんなのうそに決まってるだろ!」
「じゃあ、なんであんな話してたんですか!」
「それは、あいつも舞のこと狙ってて、それで!」
「もう、うそつかないでください!私、先輩の噂知ってるんです…。」
「噂?」
「すごく女遊びが激しいって…。」
「へー、そうなんだ。」
そう言うと、先輩はだんだん私のほうに近づいてきた。
そして、私の腕をひっぱって教室に入れ、教室の鍵を閉める。
先輩の顔は、今まで見たこともないくらい怖い顔をしていた。
怖い…。
私は本気でそう思った。