*恋に不器用な私*
「たまたま、3年の教室の廊下通ってたら、すごい音と、一ノ瀬の叫び声が聞こえて。それで、何かあったのかなって思って教室のドア開けようとしたら、鍵かかってて開かないし。それでおかしいなって思って…。」
「そっか…。やっぱあんたの言う通りだったね。」
「え?」
「あのときのあんたの言葉、もう少しまともに聞いとけば、こんなことにはならなかったのかな…。」
「一ノ瀬…。」
「でも、やっぱり私、先輩のこと好きなの…。そんな簡単に忘れられない…。」
「何言ってるんだよ!あんなひどいことされたのにまだ好きって…。おかしいだろ!」
「確かに、ひどいことされた。でも、楽しい思い出もある!」
私の頭の中には先輩との楽しい思い出がよみがえってきた。
やっぱり、忘れるなんて無理…。
そんなすぐには嫌いになれない…。
だって、こんなにも先輩のこと好きだったんだもん…。