*恋に不器用な私*
そして、あいつは私にキスをした。
触れるだけの優しいキス…。
拒めないよ…こんなの…。
ずるいよ…。
「もしかして、さっきのキスで俺のこと好きになった?」
「な!?そんなわけないでしょ!!」
「んじゃ、ぜってー俺のこと好きにさせてやるから!覚悟しとけよ!!」
そう自信満々に彼は言った。
「絶対好きになんかならないから!!」
私も彼に対して自信満々に言う。
「はいはい。まぁ、まずはこの勝負に勝つことに専念するか!」
あー!!!!!
すっかり勝負のこと忘れてた!!!
早くクラスに戻らないと!!!
「私だって絶対負けないから!!!」
そう言って、私は2組の教室を飛び出した。