【完】イケメンカフェ -幸せな一瞬(とき)をあなたに-
そして、17時にはお客様の姿はなくなった。
入口に内側から鍵を掛けると、今日の営業時間は終了。
「お疲れ様です‼雪兎さん、やっぱ碧さん人気でしたね」
「そうだな」
「興味ないんですよーきっと」
礼央が横からそういった。確かにそうかもしれない。
でも、興味ないフリをしてるだけかもしれない。
どちらなのかは私には分からない。
「じゃあ俺帰るから。お疲れー」
「もうかえるんですか?だって片付けが…」
「いいんですよ、雪兎さんは。朝早く来てるから」
そう、私が片付けをせずに帰るのは暗黙のルールになっている。
…本当の理由は、閉所恐怖であり暗所恐怖であるから。
電気の消えた夜のお店は耐えられないから。