【完】イケメンカフェ -幸せな一瞬(とき)をあなたに-
そう願ったとき、誰かの気配がした。
怖い!!!
そう思って無理矢理立ち上がったが、その誰かは糸もたやすく私の腕を捕まえた。
驚きのあまり、その腕を振り払おうとした。
「や、やめっ…」
すると、後ろからその誰かは私を抱きしめた。
その香水は、紛れもなく碧のものだった。
「俺だから大丈夫。落ち着いて」
しかも、普段聞いたことのない優しい声で耳元で言われれば、じっとするしかない。
私はこの身体の震えを必死で抑えた。
そうすると、少し落ち着いてきた。
でも、今度は心臓が音を立て出した。
どうしよう…なんで、ドキドキしてるの?
この気持ちを知りたくないし、認めたくないよ。