密フェチ†誰とでも寝る女
高木はグラスを口元に運びながら、うんざりした視線を投げかけてくる。
「それになんか『匂い』も嫌だった」
「匂い?香水か?」
「じゃなくて、その人特有の匂い」
『五感』から受ける生理的な違和感は受け入れがたい。
だって『五感』は、セックスの大切なコミュニケーションツールだから。
「体臭とはちょっと違うんだけど、耳の後ろを嗅げば---」
私は高木の肩に手を置くと、鼻先を高木の耳元に埋める。
「あ…、」
それは匂いというより、『フェロモン』なのかもしれない。
「何?」
高木が身じろぎする。
「良い匂い…あたしが好きな感じの」
欲望をダイレクトに刺激する。
「…匂いだけじゃなく---
俺の他のところも『吟味』してみるか?」