水色ミステリアス。
繰り返す日常
――俺は、冷たい。
・・・いや、正しくはそう言われることが多い。
自分で意識したことはないが、そう情というものも情けというものも人一倍欠けているのかもしれないとは感じたことがある。
現に、俺の両親が幼いころに事故で他界した時は正直驚きはしたが、悲しみという感情は浮かばなかった。
両親が好きとか、大切とか、それまた憎いとか、妬みだとか、そんな気持ちを感じたこともない。
ただ、帰る場所が同じの他人と、きっとどこかで思っていたのだろう。
そんな俺、西島 美希斗は高校1年生。
今は親父側の叔父と住んでいる。
なんとか高校生活にもなれた時。「部活入部希望届」が配布された。
「・・・は?なんだこれ・・・」
「なんだ、じゃないよ?美希斗。入学式でも何度も言ってたじゃないか。『1年生はいずれかの部活に所属すること』って」
「・・・」
俺を美希斗、と馴れ馴れしく呼ぶのは磯山 聖(イソヤマヒジリ)。
中学からの腐れ縁、というか親友、というか。
とにもかくにも、部活に入るなんて事は・・・
「聞いてない。」
「いいや、言ってた!」
「俺は知らなかった。」
「それは美希斗が寝てたからさ!」
・・・その通り。
恥ずかしながら昨日の俺は夜遅くまで起きていた。
入学が楽しみでドキドキで、みたいな可愛いものではなく、
単純に小説の続きが気になり、気付けばもう4時。
おやすみなさい、ではない。ちょっと早いおはようございますが使える時間だ。
そんなこんなで寝ていた俺が、その最重要事項を聴き逃したと。
・・・格好のつかない話だ。
「で、美希斗?どこに入るんだい?」
異常なほどに数のある部活動。
さて、どれにしようか。
「・・・何か良い案はあるか?聖」
「案?なんだか日本語がおかしいけど、どうかした?」
「・・・いや、なんでもない」
なんでもない。
少し気が動転してるだけだ。