もっと…もっと…
思い返せば自分が悪い。
彼女の前で見栄など張るから、こんな目にあっているのだ。
本当なら最高の思い出になるはずだった。
一生忘れられない、そんな思い出に…。
この旅行は、四年間付き合った彼女にプロポーズするのが目的だった。
元サークルの仲間達に協力をしてもらって、サプライズを計画していた。
二十五年間生きてきて、最大の試みだった。
そして彼女は俺のプロポーズに、二つ返事で応えてくれた。
「よろしくお願いします。」
と頬を赤らめて言う姿は、とても可愛らしかった。