もっと…もっと…

サプライズが成功してからの旅行は、仲間達の計らいで、俺と彼女の二人で別行動をとっていた。



異変が起こったのは三日目、夕方旅館に戻ってからだった。


いつまで待っても仲間達が戻ってこなかったのだ。

行動は別でも旅館は同じ。

携帯に連絡を入れても繋がらない。


夜23時を過ぎた頃、いよいよ何かあったのだと、俺と彼女は辺りの捜索をしようと腰を上げた。


旅館を出ようとした時、若女将が少し不安そうに声をかけてきた。



「もしかして…ご友人がまだ戻られていないのですか?」
「はい。連絡も繋がらなくて…ちょっと周辺を捜してみようと思います。」


すると若女将は少し待っていて下さい、と一旦奥へ下がり、懐中電灯を片手に戻ってきた。


「この辺りは田舎町です。街灯も少ないですから、どうぞお持ちになって下さい。」
「ありがとうございます。」
「それと………」


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