蝶龍Ⅰ
*プロローグ*
闇の中に荒れ狂う野獣がいた。
荒々しいオーラを纏う孤独な野獣を…
“おい、その辺にしとけ。そいつ気を失ってる”
私がそう言うと、野獣は顔をこちらに向けた。
その目はなにも映していなくて
…死んだ目だった
“何だてめぇ…”
野獣は冷めた低い声で威嚇するように言った。
“お前はなんのために喧嘩する?ただストレス発散のために殴っても、虚しいだけ。それはお前が一番分かってるんだろ?”
野獣はなにも言わずじっと見つめてくる。
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