Discoloration
1・イチ
黒から白
つぃ、本音がこぼれた。
「あー。ウザぃ。」
キャーキャー言う
周りの声が高いせいか、
昔からあたしが
ドス声を出す機会が多いせいか、
低音のあたしの独り言は
その場に響き渡って、
周りの視線を一身に集めた。
・・・やっちゃった。
転校初日なのに、
こんなに目立つなんて。
誰か、昔のあたしを憶えてるやつが
いたら・・・。
そこまで考えて、今の自分の姿を思い出す。
そうだよ。
もう、髪も眼もグレーじゃないじゃん。
…それより、
「!?///」
今、真っ黒い人とあたし、
目がバッチリ合ってない?
しかも、どんどんこっちに向って来てない?!
逃げなきゃって思うのに、
足が動かない。
何とかしようと考えるのに、
目の前の人しか考えられない。
かなりのイケメンの部類に
入るであろう、その黒い人は、
目の色も、髪の色も、オーラまでも、
あたしには澄んだ黒に見えた。
ただ、その作った表情だけは
曇っていたから、
そのあまりの差に視線がを外せずにいた。
そして、
あたしを上から見下ろして一言。
「イイの見つけた。」
そう言いながら、
不敵で真っ黒な笑みを
あたしにだけみせるから、
「っっ!///」
頭の中が‘真っ白‘になるんだ。