Discoloration
「名前。」
「・・・は?」
「あんたの名前は?」
「だ、大上美衣子・・・
<ダイジョウミイコ>
って、ちょっとアンタ!
相手の名前聞く時は
自分から名乗るのがスジだろっ!」
「スジ?」
「いっいや!普通でしょ?」
「ふーん。」
うわぁ。
ヤバぃ。
初日から荒れてた過去がバレるのは
‘嫌‘だ。
でもそれ以上に…
「・・・須黒。<スグロ>」
「えっ?」
「俺の名前、
言えっていったろ。」
「ぅ、うん?えっと須黒…くん?」
「あぁ。」
「とりあえずさ、降ろしてくれない?
重いだろうし?」
「あぁ、かなり重い。けど、降ろしたらどっか行っちゃうだろ、あんた。
だから嫌だ。」
このお姫様抱ッコの
状態の方が嫌だっ‼
ムカつくし!
しかも
「か、顔が近いから///!
もっと、離れて!」
「ふっ。顔を離せばいいんだ?」
スッと右腕の力を緩めて
2人の触れている部分が減る。
「こ、コレぐらいならまだ…って!
違うから!降ろしてよ!早く!」
「まぁ、いいじゃん。
もうすぐ着くから。」
「はぁー⁈
良くない!全然良くない!」
どうしよう!
目立ちたくなんかないのに。
あんなに皆に騒がれてたヤツに
捕まって。
それに、どこかに連れていかれる上に
連れていかれ方が…
お姫様抱っこなんてッ///
耐えられない!///