Discoloration
噂からくしゃみ
「そういえば、キョウ。
この子の名前は聞いたんですか?」
「聞いたけど、忘れた。
俺が名前憶えんの苦手なのは
諒<リョウ>が一番知ってるだろ。」
「ふふっ。すいません。
ちょっと、試しました。」
「でも、諒ちゃんならこの子の事知ってるんでしょー?頭いいんだからぁ。」
「頭は駿の方がいいですよ。
私は、情報量があるだけです。
ただ、この子の事は何も知りませんね ぇ。記憶にないです。」
「諒が知らない?女好きのお前が?
この辺の女の顔とか名前とかのデータ は完璧だろ?」
「それ、褒めてます?
・・・でも確か誰かが、
近々、転校生が私たちのクラスに来る と噂していました。
その子かも知れませんね。
真面目そうに見えますし、
学生書を持っているのでは?」
「うーん、ポッケかなぁー?
えっとぉー…
あっ! 見っけた!
・・・?お、
オオカミ・・・、ミイコぉ?」
「は?
オオカミ男?
女だろそいつ?」
「樹<イツキ>、キョウ、
それは大上と書いて、
ダイジョウと読むんです。
先生方が話しているのを聞きました。
でもその名前、裏の方で有名ですょ。
確か別名が・・・。
はぁ。いけませんね。
最近、色々憶えたので、
思い出すのが一苦労です。」
「・・・灰色の狼・・・。」
「!!」