Steady
それと同時に、

私の目の前に出来立ての

夕食が並べられる。


手の込んだ煮込みハンバーグ。


かかっているソースの匂いに

思わず鼻を近付ける。


「どうって。普通」


「普通のはずないでしょ、

 同窓会なのに。

 敦くんとは会えたの?」


「うん」


「敦くん、変わってなかった?」


母親の問いかけに、

ハンバーグを口に

運ぼうとしていた手が

ぴたりと止まる。


変わってた、

すごく変わってた―――


心の中でそうこたえながらも、

止めていた手を動かし

ハンバーグを口にしてから、

「うん」

とだけこたえた。




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