Steady
“アツシ”
同窓会が終わり、

またいつもの日々が始まる。


今日は週1回のゼミの日。


いろんな匂いが混ざり合って

頭が痛くなりそうな

満員電車に揺られながら、

私はいつものように

大学へと向かっていた。


新年度が始まって

もうすぐ1ヶ月。


満員ながらも車内で

なんとなくぎこちなかった人々も、

この押しくらまんじゅうに

体が順応してきたのか

心なしかゆとりを感じられる。


私も、ようやく

楽な呼吸方法を身につけ始めていた。


今日もゼミで敦と会えるだろうか。


もし会えたなら、

今度の日曜日の件はやっぱり断ろう。




< 121 / 342 >

この作品をシェア

pagetop