Steady
504教室を開けると、

いつもがらんとしている空間に

今日はぽつんと人影があった。


「……あ!」


「やあ、おはよ」


とろけるような

甘い笑顔を見せて

敦が私に声をかける。


まさか私よりも早く

来ているなんて

思ってなかった私の心は、

緊張と混乱で

鼓動が早まっていく。


そうだ。


授業が始まるこの時間に、

敦に日曜のことを断らないと。


私は敦の前に立つと、

勢いよく頭を下げる。


「ごめん。

今度の日曜日、

やっぱり遊べない!」




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