Steady
同窓会であった

敦らしくない言葉に、

私の胸がどくんと音を立てる。


容姿は敦そのものなのに

中身ががらりと

入れ替わったようで、

どう返事をしていいか

分からない。


そんな私をよそに、

敦はなおも甘い笑顔を

見せて言葉を続ける。


「そういえば先週、

 自己紹介できてなかったよね。

 俺は松嶺優(まつみね ゆう)。

 “優しい”て書いて

 “ゆう”て読むんだ。

  俺のこと、優って呼んで。

 キミの名前は?」


マツミネ、ユウ―――


目の前にいる敦の口が、

確かにそう動いた。


訊き間違い?


いや、確かに

目の前で優と言った。



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