Steady
敦からのメールが画面から消え、

無機質な待ち受け画像が広がる。


デジタル時計が大きく映る、

内蔵されている

シンプルな画像。


秒針を表すコロンの点滅を

見つめてから、

ふと視線を優に合わせた。


「ねぇ、優くん」


「ん、何?」


いつどんな時でも

ふわりと微笑む優に

私の胸がドクンと大きく反応する。


私はひとつ息を吐いてから

言葉を続ける。


「もし嫌じゃなかったら、

 優くんの番号教えて

 欲しいんだけど……」


こんな事、普段の私じゃ

絶対にあり得ない台詞。


人の携帯電話の番号を、

それも男の人のを訊くなんて。


でも、私はどうしても

優の電話番号が知りたかった。


優の電話番号が。


緊張のあまり表情が

固まってしまった私に、

優はさらにふんわりと笑う。





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