Steady
「今日はありがと。

 俺と遊んでくれて」


「ううん、こっちこそ。

 優くんと一緒で楽しかったよ」


大学の最寄駅の改札口。


電話番号交換した私たちは、

その後すぐに出されたパスタを

味わいながら他愛のない話をした。


どうしてこの大学を選んだのか。


大学ではどのように

過ごしているのか。


そして、

これからまとめ上げる

卒業論文について。


本当は優のプライベートな部分を

訊きたかったけれど、

首を突っ込みすぎて

せっかく誘ってくれた優に

嫌がられたくなどなかった。


ただ唯一、

電車の方向が反対だ

ということだけ知ることができた。


話題は大学生活のこと

中心だったけれど、

時間を忘れてしまうほど

楽しいものだった。


気付けばランチタイムはとうに過ぎ、

時計の短針が3を差そうとしていた。





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