Steady
そう言う優は、

いつものあの甘い笑みを

浮かべている。


私は優に向かって

軽く手を振ると

上りホームへと歩き始める。


優もまた反対側のホームへと

歩き始めたのだろう、

足音が聞こえる。


こんな気持ちになったのは

どれくらい振りだろう。


それも敦以外の男の人に。


私はふと携帯電話を

カバンから取り出した。


敦と優の電話番号が入った

携帯電話。


上着のポケットに入れると

その中でぎゅっと握り締めた。




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