Steady
窓から流れる景色を

眺めながら優を思い浮かべる。


まだ『敦』と『優』、

2人のことを上手く

受け止められない。


私の良く知る敦は

『優』の方だけれど、

本当の敦は

遊び人のような『敦』。


私の求めているのは

『敦』なのだろうか、

それとも『優』なのだろうか。


これから2人と

どう接していけばいいのか

まだ答えが見つからない。


「……!」


ポケットの中で

握り締めていたままの

携帯電話が震え始めた。


2回ほど震えて止まったそれは

きっとメールの受信を知らせるもの。


私はおもむろに携帯電話を

取り出して着信記録を確認する。





< 153 / 342 >

この作品をシェア

pagetop