Steady
これじゃ、本当に

ホテルに来てる感じではないか。


「い、行かないわよ!

 敦のばか」


きっと今の私の顔は

真っ赤に染まっているだろう。


敦の言動に心臓が

バクバクと悲鳴をあげる。


私の反応に「チェッ」と

呟きながら敦はなおも

ベッドの上を転がりまわる。


確かに小学生だった頃は、

そんなことなんて

当然知らない私たちは

よくベッドに並んで

寝転がっていた。


でも10年経った今は、

少なからずそういうことだって

お互いの頭にはあるはず。


にもかかわらず平然と

「来い」なんて口にする敦に、

私の鼓動は苦しいほど

激しさを増すばかりだ。




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