Steady
鼓動が今までにないほど

大きく波打つ。


それをどうにか

静ませようとゆっくりと

呼吸を整える。


敦の“確認したいもの”

って一体何なのだろう。


そう思った次の瞬間、

私の身体がいつの間にか

敦の方へ傾く。


「キャッ!」


思わず声を上げる私に、

敦は「ワリィ」と声をかけて

私を引き寄せる。


たった数秒のうちに、

私は敦のすぐ隣へ

横にさせられてしまった。


「ちょっ……変なこと

 しないって言ったじゃない!」


驚きのあまり声を

荒げて叫ぶ私の口を

敦が手でやんわりと塞ぐ。




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