Steady
「誤解すんな。

 俺が確認したかったのは、

 コレだよ」


そう言って敦は

ベッドの上にある

木の部分を指差した。


どうにか体勢を整えると、

私はその指差す部分に

目を凝らす。


小学生の時から使っている

木製のベッド。


その上にある木の隅の方に、

なにやら小さく何かを

彫ったような凹凸がある。


「……!」


傷なんていっぱいあり過ぎて

今まで気付かなかったけれど、

その凹凸だけはそれらと

種類の違うものだった。



『アヤカ、スキ』



小さくて溝がすごく浅いけれど、

確かにそう彫られていた。




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