Steady
もし、私がベッドを

買い換えてしまっていたら

どうなっていたんだろう。


敦だって、私が未だに

このベッドを使っている確証など

なかったはずだ。


「ねぇ、敦」


「ん?」


「もし、私がベッド

 買い換えてたら

 どうするつもりだったの?」


いつの間にか私は

敦にぴったりとくっついた状態で

問いかける。


少しの間の後、

敦はハハッと笑ってから

口を開いた。


「彩加は物持ちがいいから、

 絶対それはないと思ってたし」


敦の言う通り、

私は物持ちがいい、

というかなかなか捨てられない

性格だ。


さすがに6年使った

ボロボロのランドセルは

処分してしまったけれど、

当時使っていた

お気に入りの筆箱は今も

小物要れとして使っている。




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