Steady
顔を赤らめながらも

口では強気なことを

言ってしまう自分が情けない。


でも、昔から敦との会話は

こういうものだから、

今さら仕方がない。


そんな私のことなんて

然程気にしていないようで、

敦は首を軽く横に振ると

言葉を続けた。


「じゃ早速、行こうぜ」


そう言うなり敦は

私の手をさっと取り

スタスタと歩き始める。


「ちょ、ちょっと……。

 敦、速いって……」


「大丈夫って、

 俺と手繋いでるんだから。

 何か問題でも?」


「……」


わざと私の口調を真似て言う敦に、

私は言葉を失う。




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