Steady
「イッテー。

 彩加、いくらなんでも

 それはねーだろ」


「ばか、敦!

 私、もう帰る!」


完全に敦に遊ばれている。


身体は大人だけれど

中身はまだ子どものままだと

痛感させられて、

惨めになってくる。


私は繋いだままの手を

離そうともがき始める。


「ゴメンゴメン。

 もう言わねーから。

 本当、安心しろ」


慌てた口調で敦が平謝りすると、

離そうとしていた手を

ぎゅっと握り締めた。






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