Steady
優に申し訳ない。


電車の中で澪に

メールを送ったのは、

私の心をどうにかして

欲しいから。


何もかもが

ぐちゃぐちゃで

何が真実なのか

分からなくなってしまった私を、

唯一の親友である澪に

救って欲しかったから。


「……止めようかな」


講義を欠席してしまおう。


こんな不安定な状態じゃ、

講義だってきっと

まともに受けられない。


今日だけ。


今日この1回だけ、

川岸教授には申し訳ないけれど

休んでしまおう。


そう思って

ベンチから立ち上がった。


「彩加ちゃん!」


突然、大きく弾んだ声で

呼ばれた私は、

その声に一瞬にして

身体が硬直していくのを感じた。





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