Steady
澪に指定された場所へ到着すると、

乱れた呼吸を整えながら

辺りを見渡す。


まだ、澪は来ていないようだ。


大きく深呼吸を2,3度して、

一番目立つであろう場所に

立って待つ。


すると数分もしないうちに

澪が優雅な歩きを見せながら

現れた。


「ミィ、ゴメン!」


ゆっくりと近付いてくる

澪に向かって手を合わせて

軽く頭を下げる。


朝、通学途中に

私が送ったメールで

会うことになったのに、

澪にこんな手間を

かけさせてしまったのだ。


申し訳ない気持ちを

精一杯込めて頭を下げ続ける。


でも、澪はフフッと

軽く笑ってさらりとこう言った。


「気にしない、気にしない。

 お互い様だし、ね」


澪の言葉に

私は下げていた頭を

ゆっくりと上げた。







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