Steady
何をするわけでもない。


ただ、ベンチに座って

こうして外の空気を吸って

景色を楽しんでいる。


アルバイトはしていたけれど、

それも最近やめてしまった。


『卒業論文に集中したいから』


そう理由付けて。


確かにそれも

立派な理由の一つだけれど、

本当は自分の時間が欲しかった。


大学もなにもない自分だけの時間が。


どれ程の時間が経ったのだろう。


空腹を知らせる音が

自身の中に響いたので、

私はベンチから立ち上がると

ゆっくりと歩き始めた。



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