Steady
2人の想いが痛いほど

胸に深く突き刺さる。


だから余計に、

2人をこれ以上

苦しめたくはない。


「彩加……」


私の様子を

じっと見ていた敦が

優しく呼びかける。


ゆっくりと視線を戻すと、

敦が申し訳なさそうに

目を下に向けたまま

コーヒーを握り締めていた。


「彩加、ごめん。

 悩ませちまって」


敦の言葉に私は首を横に振る。


「ううん、大丈夫。

 謝らなきゃいけないのは

 私の方だよ。

 ……曖昧な態度で、

 敦と優くんを困らせてごめんね」


今度は優がゆっくり

首を横に振るとそのまま

口を開いた。






< 313 / 342 >

この作品をシェア

pagetop