Steady
かけがえのない人
すっかり冷めてしまった

コーヒーを一気に流し込むと、

私は敦と優を交互に見て

静かに口を開いた。


「本当は先に

 優くんへ話すつもりだった。

 でも、偶然とはいえ

 こうして敦も一緒になったこと、

 今はよかったと思ってる」


敦も優も、

じっと私を見つめたまま

私の言葉に耳を傾けている。


その2人の表情に

やっぱり双子だな、

と思わせられる。


私は短く息を吐くと

視線を敦へと向けて

その続きを話し始めた。




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