Steady
「敦とはもう小さい頃からの

 “腐れ縁”みたいな感じで、

 私の側にいるのが

 当たり前の存在だった。

 ……小学校を卒業するまでは。

 急に引っ越してからは

 私の心にぽっかり

 穴があいてしまった気がして。

 それを紛らわせるために

 がむしゃらに勉強して、

 人付き合いなんて

 煩わしく思えて

 誰とも会話しなかった」


あの頃の私は

本当にそうだった。


すっかり信頼していた敦が

自分から離れてしまい、

私自身この空虚な生活を

どうしたらいいのか分からなかった。


それに敦だけを見てきた

私にとって周りの人と

付き合うことなんて

考えられなかった。


だから、今まで澪以外、

友だちが1人もいなかった。


ゆっくりと息を吐き出すと、

今度は視線を優へと合わせた。





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