Steady
ドクドクと音を立てる鼓動を

落ち着かせようと、

手を胸にあてる。


目を瞑り小さく

深呼吸を2,3度してから、

ゆっくり目を開けた。


「けれど、その優の

 柔らかい温もりが段々

 私を苦しめ始めて。

 自分自身が

 分からなくなってしまったの。

 その時、親友のミィが私に、

 こう言ったんだ。

 『アヤの求めていたもの』

 が何なのか、

 それを考えれば

 答えが分かるはずだって」


心の中がまるでミキサーのように

ぐちゃぐちゃにかき回され、

どうしたらいいのか

自分自身さえも分からなくなった時、

澪は私の状況を

すぐに察知してくれて、

そう助言してくれた。


『私の求めていたもの』―――


これに素直になった時、

心の中が綺麗におさまる。


そして私が導き出した

答えは……。







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