Steady
「そんなに驚くなよ。

 彩加の隣にいて

 恥ずかしくねー感じに

 したんだからさ」


「でも、あまりにも変わってて……」


「惚れ直した?」


イタズラな笑みを

見せていう敦に、

私は咄嗟に背中を叩く。


確かに敦の言う通り、

「惚れ直した」かも

しれないけれど……。


ドクドクと激しく音を立てる鼓動で

顔が赤くなるのを必死に隠す私に、


敦がそっと頭を優しく撫でた。


「俺だって彩加に惚れ直した。

 今日の彩加、

 すんげー可愛いし」


私なりに精一杯頑張ってきた姿を

敦はちゃんと見てくれていた。


決して完璧じゃない

私のオシャレを

受け止めてくれたことが、

私は素直に嬉しくて、

心の中が甘い蜜で

いっぱいになった。





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