Steady
今までやっていた

バーテンダーは、

生き別れた双子のカタワレである

優を探すためにしていたこと。


偽名を使ったことも、

わざわざ夜型の仕事を

していたのも、

すべては優の手がかりを

多く掴むため。


でも優と再会を果たした今は、

その必要はなくなった。


だから敦は次のステップへ

一歩踏み出したんだ。


それまで軽く見えていた敦が、

ぐんと大人びて見えてきて、

私がまだまだ幼く感じてしまう。


ようやく自分の気持ちに

気付いただけで、私自身

全く成長していないのではないか。


私の気持ちを感じ取ったのか、

敦が頭の上に置いていた手を

今度は肩へ回した。






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