Steady
きっと期待に

胸を躍らせているだろう澪を

待たせないように、

慣れないながらも

黙々と着替えていく。


全てのアイテムを身につけ終わり、

私はゆっくりと

試着室に備え付けてある

鏡へ視線を移した。


「うわ……」


自分の姿に絶句し、

身体が硬直してしまう。


なんなの、

鏡に映っているこの私の姿。


「着替え終わったんだね、アヤ。

 早く見せてー!」


僅かに漏れた私の声を

聴き取ったのか、

上ずった声を出しながら

澪が思い切りよく

試着室のドアを開けた。


その瞬間、

洋服がふわりと僅かに風になびく。



< 40 / 342 >

この作品をシェア

pagetop